MY DEAR SWEET BABY!!

2歳男の子育児日記

●大人でも先生でも間違える●

もう30歳半ばになった今でも、よく昔のことを思い出すのですが、小学校の時のある女の子を思い出すと、連鎖的に一緒に思い出される出来事があります。

 

 

その女の子(以下Aちゃん)は特に顔立ちが整っているわけではないけど、リーダーシップも取れて、いつもニコニコ明るくかわいくてオシャレで、同じような派手めの女の子とだけ一緒にいる、ヒエラルキー上位な子でした。

 

 

比べて私はどちらかと言うとマイペースで地味、本や漫画を読むのが好きで、かと言って大人しいわけでもなく、毎日遊ぶような特定の友達もおらず、なんとなく色々な子と満遍なく同じ態度で接する子供でした。

(と言っても、我が強いところもあったので、皆から好かれるいい子だったわけではない)

 

 

そして当時の担任の先生(25.6くらい男性)は、教職という仕事に夢を持っているタイプで、理想と信念を掲げ、「みんな平等」と言いながら、「世界一のクラスを目指そう」とふわっとよくわからない目標を立てる先生でした。

 

そして教室には大きな模造紙に、クラスのみんなの約束事として、「ひいきや差別は絶対にしない」とデカデカと貼ってありました。

他にも2つくらい約束事があった気がしますがこれが印象的すぎて覚えてません。

 

ただ一生懸命な先生だったし、いつも努力していたのは子供から見てもよくわかったし、当時も今も割といい先生だったなぁと思っています。

 

 

ちなみに、この時の約束事のおかげかはわかりませんが、私は誰とでも平等に分け隔てなく話す人間になりました。

 

 

 

そんな中、ある日私は誰からも嫌われるような性格(具体的には割愛、以下Bちゃん)の女の子に「一緒に帰ろう」と誘われ、「げっ」と思いつつ、「平等であれ」な精神が根付いていたので断ることなく一緒に帰ることになりました。

 

 

その帰り道、Bちゃんがこんなことを言い出しました。

 

 

 

「先生ってさAちゃんのこと、えこ贔屓してない?」

 

 

私は当時のクラスの約束事は守られていると漠然と信じていたので、そんなこと思ったこともなかったのですが、Bちゃんが堂々とこう言ったのを聞くと、「あ、そう言われれば特にお気に入りって感じかな。」とぼんやり頭を過ぎったのを覚えています。

だからといって私自身かぞんざいに扱われてはいなかったし、特に不満はありませんでした。

 

今思えば、嫌われ者のBちゃんは先生からも内心嫌われてて、先生がそんなつもりはなくても無意識にぞんざいに扱われていたと感じていたのかもしれません。

 

Bちゃんの性格を考えると否定するのも面倒で、適当にそだねーって感じで相槌打って、その日は終わって翌日には私はその事を忘れていました。

 

 

 

そして事件は起こったのです。

 

 

当時毎日出さなければ行けなかった生活ノート(先生との交換日記的な)に、Bちゃんが

 

「先生はAちゃんばっかりひいきしてる。ショコラちゃんもそうだって言ってくれた。」

 

と書いたそうな。

 

 

いやマジかよ、さすが嫌われ者のBちゃん、やることが違う。人を勝手に巻き込むなよって話です。

マジでBちゃんと一緒に帰ったことを後悔しました。

 

 

そして翌日、授業の前に物々しい雰囲気をビシバシ放って先生が言いました。

 

 

 

「ある人から、先生がAちゃんをひいきしていると言われました。みんなはどう思いますか?」

 

 

 

えーーーー。

先生、そんなこと言っちゃうの?

ていうか、マジでBちゃんお前のせいだろバカヤロー!

とか思うのも束の間、なんと先生はその質問を端っこの席の子から1人ずつ順番に聞き出したのです!!

 

 

そして、「ある人から」と名前を伏せたくせに、Bちゃんと私のことは飛ばして結局クラス全員に聞きました。

匿名の意味なし。全員がその「ある人」の正体がわかる状態。

 

 

そして当たり前ですが、クラスのみんなは全員「ひいきはしていないと思います」と答えました。

 

 

そりゃそうです。

こんな物々しい雰囲気のなか、先生に怖い顔で聞かれたら、Bちゃんのように思っていた子がいても、「はい、ひいきしてると思います」と答える人なんていないでしょう。

みんなただの小学生、子供です。

 

ただそれを25.6にもなる教員が理解出来なかったのか。

ひいきしていると思われたのがそんなに許せなかったのか。

 

 

結局、先生はひいきなんかしてません。

 

 

と強引に締めくくってその話は終わりました。が、このことは20年以上たった今でも時折思い出しては、先生クズだなって思う出来事です。

 

 

ちなみに、Aちゃんには全く罪はありません。

ただAちゃんは私と誕生日が同じだったので何となく誕生日とかの話題になると「そういえばAちゃん元気かな~子供も大きくなったんだろうな~」と思い出したりして、その時に連鎖的にこの出来事が思い出されるのです。

 

 

不思議とBちゃんや先生のことを思い出してもこの出来事が出てこないのは、これ以上のインパクトのある出来事がたくさんあったからでしょう。

 

 

その出来事があってから、私は安易に同調することの危険を学びました。

そして親になった今、いっくんにもそのことはちゃんと教えて行きたいと思います。

大人でも間違えるということも。

 

 

先生は今でも教員を続けています。

もうかなり年齢も重ねているはずなのでこの出来事を間違っていたと恥じていることを願います。